「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
ファンタスティック・ビースト♪
初日だからか満席でした。
主人公は、魔法動物学者ニュート・スキャマンダー。
予告編でチラッと見えた、あのくしゅとしたヘアスタイルやきょとんとした表情が、なんともいえず魅力的なんですよね。
ファッション用語で言う「ゆるふわガール」の男版みたいな感じというのか?
かわいいんだけど、でも映画で改めて見たら、けっこう大人でした。
しかもけっこうな魔力の使い手で、博識でもあります。
彼が持っている四次元トランク?の中はちょっとした飼育施設になっていて、いろんなめずらしい魔法の生き物が飼われています。
それを持ってイギリスからアメリカにやってきたところ、動物の一匹が脱走してしまったので銀行でバタバタ。
そこでパン屋の開店資金を借りに来たノーマジ(魔力のない一般人)のジェイコブと出会うのですが、
二人が偶然同じようなトランクを持っていたことから、それぞれが相手のトランクを間違って持ち帰ってしまい、大変なことに・・・。
時代設定はやや古く、大統領候補が「酒場の営業を禁止する」とか言っているので1920年くらい?
捜査官ティナの妹として登場するセクシーなクイニーも、なんだかすごく「昔の美人~」という感じが漂っていて、生々しさは薄いです。
あと音楽がけっこうよくて、レトロな映像にピッタリでした。
魔女を糾弾するあやしい宗教団体も活動している(が、現実に魔法がある世界なので、完全に頭おかしい人々とも言い切れない)
この教祖の女も怖いけど、養子の青年や無気味な歌を口ずさむ妹たちも、ニコリともしない無表情のホラーチックな演技でいい味出しております。
この前髪ぱっつんの不気味な青年クリーデンスは、実は魔法省のグレイブスと通じており、超生物オブスキュリアルを探す手伝いをすることになっています。
オブスキュリアルとは、本来魔力を持っている子が、周囲の環境や支配によりその力を抑圧し続けた時に生まれる破壊生物で
それを生んでしまった子は幼くして死んでしまうそうです。
もはや「ありのままに♪」とかいって氷の城を建てるようなアート性や愛嬌を発揮する余裕さえもない限界な状態ということですね。
この破壊的な力というのはなんとなく感覚としてわかるので、それがファンタジー映像の形で可視化されるとちょっと爽快、そしてちょっと悲しい。
ニュートは以前別人から採取したオブスキュリアルを一匹トランクで飼育しており、
「周囲に何もなければ悪さをしない」「研究する」とも言っているので、まったく救いようがないほど有害なわけでもないようです。
さてこの映画、子供向けのためか、アクション満載なんだけどバイオレンスも流血もいっさいなく、攻撃はただ魔法のステッキの先から青白い光が出てきて当たるだけ。
当たったらどうなるかというと、倒れます。
でも死なないし血も出ないし、悲鳴も上げないのです。
今時、アニメも「声優さんお疲れ様ー」っていうくらい迫真の悲鳴がガンガン入っているのに、無音ってどういうこと?
グレイブスに連続攻撃されてるニュートが無言のまま地面をのたうち回る演技がなんだかすごく不思議。
ちょっとおにいさんそれ、痛くて苦しんでるのか、それともただ単に痺れて動けない感じなの??
「あー痛い」とか「動けないよー」とか、何か言ってくれればいいんだけどな。
そして散々ニューヨークの街が破壊された後は、とっても頼れる魔法使いの人々がステッキで一瞬にして元に戻してくれます。
この魔法で修復されてゆく映像がなんだかハッピーで楽しい~
あ~魔法が使えたらいいですね。
でも建築のことがわからない私から見たら、たとえ普通の方法であっても
建物を建てたり修復したりする人たちは、充分「魔法使い」に見ますけどね!