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Happy Fancy Arts

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闘病商法とアート

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闘病商法とは、私が勝手にそう呼んでいるだけなので

巷ではどう呼ばれるのか?わかりませんが

 

勉強しようと思って

トップブロガーや、人気のある絵描きブログを見回っていたとき

存在に気付いたものです。

簡単に言うと

 

 

病気療養中のアーティストが

その病気をオープンにして、

症状や治療に関する詳しい記録や

自分の想いなどをSNSで公開することで

同じ病気を持つ人たちからの共感と応援と

健康な人たちからも、同情、尊敬、野次馬根性など

いろいろひっくるめて

多くのアクセスと、人気を集める集客法です。

 

病気は内科が多いですが

精神科も大人気

病気の他にも生まれつきのハンディキャップや、

性転換の記録や、異性装なども根強い人気を誇ります。

ネタの種類はさまざまであり、ある意味なんでもアリ。

 

中には、受けた検査や治療内容、飲んでいる薬の名前まで

事細かに記しているブログもあり

同じ病気や悩みを持つ人から見たら興味深く

参考にしたいものなのだろうと想像できます。

 

また健康な読者から見ても、単なる絵描きであるより

闘病要素が加わった方が断然おもしろく

ブログに悪い検査結果が書いてあると勝手に心配し

たまに絵でもアップされれば「生きてるのね」と勝手に安心し

ドキュメンタリー的なスリルを味わうことができるので

アクセスアップの強力な手段になり得ることは納得です。

 

それで急に絵が売れるということはなくても、

とにかく多くの注目を集めて分母を増やすことで

その中から、作品を好きになってくれる人も出てくるだろうし

ラッキーなら出版のチャンスもあります。

 

闘病商法とセットになるアート作品は、

綺麗系や癒し系のものがもちろん王道ですが

腐女子の闘病マンガで大人気のブログなんかも見たことがあるので

もはやオタク的な絵でもサブカルでも、何でもいいんじゃないかと思います。

 

ただし

たとえばホラーマンガが好きで描いている人がいたとすると

その創作されたホラー作品そのものではなく

ゆるキャラ化された自分が登場する

「注射器とかに萌えちゃう私から見たけっこう楽しい入院生活マンガ」

みたいなものが、出版されることになります。

それでもビッグチャンスには違いないでしょう。

 

そんな、病気上等!なトップブロガーたちを見て

すっかり 病気=売名のチャンス

と思いこんでいた私、

 

ある絵描きさんがご自身のブログで

いっさい病気に触れていないのを見てビックリ。

 

私はたまたま、その方と直接面識のある人を知っていて

病気のことを伝え聞いて知りましたが

もしネットで見ているだけだったら

何も知らないままだったと思います。

 

その方は、すでに膨大な手描き絵の在庫を持っているということで

新しい作品の製作はスローペース

リクエストや注文も受けていない

つまり病気を理由に、製作の遅延を詫びる必要もとくにない。

そう判断したのかもしれませんが、

 

一方で、絵の売れ行きやサイトのアクセス数のことで嘆いているのも知っていたし

その病気は患者数が多くメジャー

致死率は高くないもののそこそこ危険でドラマ性があり

病状日記を上げれば多くの女性の共感を得られるであろう病名だったこともあり

ブログがいつも通り、淡々と絵の進捗状況などが載せられているのを見て

不謹慎は承知ですが

「え!?なんで闘病商法やってないの!?」と。

 

よけいな心配をかけないように隠すことが美学という考えなら

正直「ちょっと頭の固い人なのかな?」とも思いました。

読者は心配するのが大好きなのに。

かわいそうな子や健気な子に同情したくて待っているのに。

せっかくのネタ使わないでどうすんの? と。

 

しかしよく考えてみれば

闘病商法を一切しないなら、

それはそれで、その人なりの選択なのです。

病気を明かさないことの良さも、きっとあるのでしょう。

 

たとえば

病気への同情や、共感や、励まし、ボランティア精神

そんな一切の余分な情を抜きにして、

純粋に自分の作品を好きと思ってくれる人だけに届けたい、

作品だけで勝負したい・・・

 

もしアーティストが心からそう望むのなら、

闘病商法は、かえって邪魔なものとして映るのかもしれないし

 

「私はプライベートをさらして切り売りなんかしない。売るのは作品だけ」

そんな決意や、静かな自信のあらわれなのかもしれない。

 

それに、大病や、何かの不運によって注目を集めることは

もしかしたら、刹那的なアヴァンチュールか、ドラッグのようなもの

 

長い目で見てその人の、アーティストとしてのキャリアにプラスかどうか

作品の世界観を共有してくれる良質なファンを集められるか

それを考えた時、「私は公開しない」という結論が出てきたとしても

おかしくないし

 

逆に、いろいろ考えて

やっぱり公開という結論になる人がいても、おかしくない。

 

 

 

ところで、もし闘病商法をするとしても

集客以前に もちろん回復が第一なので

 

別に病気や不運をネタにしなくても

素の自分は、充分すばらしい存在であり

健康で平和に生きていても、

ちゃんと人を惹きつけることはできるし

魅力的な作品だってつくれる。

 

ベースにその揺らがぬ気持ちをもっていること

 

また 自分のしたいことについて

「そんなこと許されるはずがない」なんて思ったら

治るものも治らなくなってしまいます。

 

病気でもなんでもない健康体の人間が

ろくに働きもせず毎日ブラブラしたり

好きなことをしたり

アホみたいなもん創作して楽しく生きたってべつにOK。

 

病気で学校や仕事を辞めちゃったからって

せめてアートで生産性を証明しようなんて思わなくても

何も作らずフツーに休んでたって、ぜんぜんOK。

 

創作してもOK

しなくてもOK

 

病気の私もOK

健康な私もOK

 

その心さえあれば、

オープンにするかどうか、

それは人それぞれの選択で良いと思います。