Fish & Paintings Diary

アクアリウムとアクリル画

富が集まる場所にはニュートラルなアートがあるらしい

先日の記事の続きです。

 

歴史的名作の複製画ではなく、

(ちなみに名画の複製とは、アート界におけるいわば「二次創作」

オリジナル絵の売れゆきがイマイチでも、最後の手段として

複製画が上手にできれば顧客やパトロンがついたりするようです)

 

複製ではないオリジナルの現代アートで、

かなりの高値で売れている3名の作家

それを見て気付いた共通項をまとめました↓

 

aryoshka.hatenablog.com

 

 

もうひとつ気付いたことがあります。

うまく言葉で説明できるかわかりませんが

自分のためにメモしておきたいので書いてみます。

 

そこにあったアートはすべて

迷いのない直線的なエネルギーを持っていたと書きましたが

それと同時に、ニュートラルな性質を持っていました。

 

つまり

ダークでもグロテスクでもないし

かわいらしく明るくキラキラもしてないのです。

 

攻撃的でもないが、かといって

「平和」「癒し」「安らぎ」みたいなものを

前面に打ち出しているわけでもない。

 

エロスや性的なものもないけど、

地味で殺伐としているわけでもない。

 

華やかさはあるけど派手とは違う。

伝統的でも懐古趣味でもないが未来的な感じもない。

 

個性は、もちろんあります。

ただその個性が

プラス、マイナス

陰と陽

メーターの針がどちらにも振れない感じ。

 

イラストでも物語でも何でもそうですが

創作されたものは、多くの場合 どちらかに傾いていて

それも、わかりやすく大きく傾いたものほど人の目を引きつけるので

世の中は、過剰に傾いた作品や表現で溢れています。

 

わかりやすくダークだったり残酷だったり

逆にわかりやすく可愛らしかったり癒し系だったり、するわけです。

サブカルチャーやアンダーグラウンドの世界へ行くほど

振れ幅は大きくなり

極端なものが人気を博します。

 

でもそこにあった

F6で一枚平均100万円くらいの作品はそうではなく

ニュートラルなエネルギーを持っていた。

 

それは、わかりやすいプラスやマイナスに慣れていると

ちょっとそっけない感じにも見えます。

 

「あなたをこんな世界へ連れて行きますよ」という

チケットやガイドの役目を果たさないからです。

 

どこへも連れて行ってくれない

現実離れした夢も空想もない

逆に言うと、今ここに この時代に

しっかり根を下ろす感じ

(つまり現実逃避の必要ない人が買う?)

 

でも、だからこそインテリアになりうる。

違和感なく飾られた場所に溶け込んで

ちょっと彩を添えるだけに留まる。

それ以上の主張をしないのです。

 

 

「中庸」という言葉を思い出したので、調べてみると

 

『中庸(ちゅうよう)とは、儒教において、「四書」の一つであり、またその中心的概念の一つである。』

「中庸」の『中』とは、偏らない、しかし、決して大小や上下の中間を取りさえすればよいという意味ではない。よく、「中途半端」や「50対50の真ん中」と混同されている。中間、平均値、足して2で割るというものではない。常に、その時々の物事を判断する上でどちらにも偏らず、かつ通常の感覚でも理解できるものである。

中庸 - Wikipedia

 

 

中庸とは「基本」

プラスでもマイナスでもない「ゼロ」

地下でもなく天空でもなく、「地表」か「大地」みたいな?

 

生きていると

しかも自分で投資だとかビジネスをしていたりすると

揺れ動くこと、たくさんあるんじゃないかと思います。

 

ああすればよかった、こうすればよかった

もっとこんなふうにしたい

もっとこんなものが欲しい

あれが足りないとか、こんなんじゃだめだとか

 

嬉しくて舞い上がっちゃったり、失敗して落ち込んだり・・・

 

もちろん大金持ちの人だってそれは同じなはず。

 

でも、何かで成功した人ほど

「ニュートラル」の感覚を知っているんじゃないかと思います。

 

それは単に「いつでも沈着冷静」ということではなく

揺れ動いたとしても

空飛んだり地下に潜ったとしても

「いつでもちゃんと地面に戻ってくる」

「自分の軸に戻れる」みたいな感じ。

 

ニュートラルの重要性を知っているから

アートもニュートラルなものが好まれたり評価されたりするのか?

 

私は、大富豪になったことがないのでわかりませんが

大富豪の家や その高価な絵を買った人の気持ち

そんなものを想像してみました。

 

もちろん上手な宣伝だったり人脈だったり

見栄やステイタス、ブランドネーム

そういう要素もあるとは思いますが

それにしても、自分が普段見ているものとか

私にとっての「人気のアーティスト」とは180度違っていたので

「金持ちって、そもそも視点自体が違うんじゃないか」

と思ったり。

 

あたしがヒーローだと思ってたもんは

いわばスラムのアイドルでしかなく

世界が変われば、あっちにはあっちの世界の神絵師がいて

稼ぐ額も桁が違うのだなとか

そんなことをぼんやり考えたわけです。

 

で、「どうせならあっちの人になりたいわ」ということですが

私の考え出すアイディアはやっぱり

プラスかマイナスに傾いていて

ニュートラルじゃないのです。

 

というか今まで、

ニュートラルな絵を描こうだなんて

考えたこともないし目指したこともないので

そうなってないのは当たり前なのですが。

 

それならそれで仕方ないので、

今の自分にできることをするだけですが

「ニュートラルなアート」という世界

とりあえず「こんな世界もあるんだな」ということだけ

心に留めておこうと思いました。

 

 

富が集まる場所にはニュートラルなアートがあるらしい。

 

 

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Photo by ありしゅ

 

 

 


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