迷ったあげくに「迷想園」
最近発売された「男子図鑑」を買いに本屋へ出かけたら、
男子図鑑 ボーイズアート イラストレーターファイル [ アンソロジー ]
|
あれ、こんなのもある。こっちにしよか~
百鬼夜行少年 アンソロジーイラスト集 [ PIE COMIC ART編集部 ]
|
あ、こういうのもある~
しろしろじろ ホノジロトヲジ作品集 [ ホノジロトヲジ ]
|
などと迷っているうちに
なぜか、ぜんぜん関係ないこちらを買って帰ってきてしまった(゚∀゚)という魔性の本。
松本潮里画集迷想園 [ 松本潮里 ]
|
まず、上記の男の子の画集がぜんぶビニールされてて中が見れず
(また別の時にビニールされてない書店で買うかも?)
迷想園だけ中が見れる状態になっていた という理由もあるんだけど
本屋さんて、こういうことがあるからおもしろいですね。
ネット注文なら目当ての本をクリックして終わりだから
「買うつもりだったのを差し置いて別の本を買って帰ってきちゃった」なんて
ほぼありえないのに。
捕まっちゃった (;´Д`)
べつに女の子の画集欲しくなかったんだけどな・・・
顔の描き方はなんかリアル過ぎて怖いし・・・
女の子ばかりの上に油絵だから、デジ絵の技法とかの参考にもならないし。
でも頭で考えず 心に正直に問いかけとき
一番、心に刺さったのはこれだったんだ。
ひとつ感動したのは
マンガじゃないし動画でもない絵本でもないけど
それぞれの一枚の絵の中に、しっかりストーリーがあるものが多いんです。
綺麗なだけじゃなく
一枚絵で謎かけやストーリーを表現するアイディアが
プライスレス~°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
個人的に一番好きなのは
胴体が水槽になってて、水が漏れている少年の絵「魚心」
(男の子はほぼこれだけという貴重な絵です(*'▽')
もう一枚は
女の子がドレスをトルソごと盗んで(?)
周囲を気にしながらダッシュしてる「駆け抜ける街」
(大きなアクションのある絵は少ないのでこれも貴重~
ところで最初画家名の「潮里」を「うしおざとさん」と読んでいて
「幼女好きのおっさんかな」なんて思っていたのですが
家であらためて説明を読んだら「しおりさん」といって
女性でした(´。`) ホッ
巻末の寮さんの解説に「描かれた少女たちは媚びていない」とあったので
改めて見返してみると、確かに笑顔の絵が一枚もないんですね。
少女たちが一切愛想をふりまかない理由については
「何もしなくてもありのままを受け入れてもらえるくらい愛された子たちだから」
「画家自身も愛されて育った人だから」
というようなことが書かれています。
イラストの世界にいると萌絵を目にする機会がけっこう多いのですが
同じ少女というモチーフであっても
この本の少女たちの在り方は、萌絵とはまさに対極に位置するのだな
と気付いた。
今まで、わりとざっくり「女の子の絵」というくくりでしか認識していなかったこともあり
レズビアンでも何でもないノンケの女性が美少女ばかりを描く意味って何なのだろう
あの女の人たちは何者なのだ?という疑問が前からあって。
(ひとつの予想は「こうありたい自分」や「理想の自分」を描いてるのか?ということなのですが
夢小説も書かず何も語らない人の心中は知りようがないし
あと「理想のメンズ」じゃなくて「理想の自分」を製造し続けるのだとしたら
それはそれで、その精神性が謎ですし)
ちなみに
美少年イラストにも、萌絵に相当するようなものは一応あるのですが
ただ美少年の絵を見たり描いたりしていて、
このような「萌絵 / アート」みたいな対照性を感じたことは
あまりないです。
人それぞれ好みはあると思うけど
たとえ絵の中の美少年が見る側に1ミリも媚びていなくても
暗くても不愛想でも なんならこっちをガン無視してても
女性からの票を獲得する分にはべつに何も問題ない。
それにくらべると萌絵や、男性向けの美少女絵の方が
はるかに縛りが多くて不自由な気がする
それを制約と感じないくらい萌絵大好き!な人だけが
萌絵描きになれるんだろうなと思います。
ということで
萌絵に飽きてきたらおひとつどうぞ・・・
「迷想園」でした