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夜の公園

子どもの頃住んでいた家のすぐ前

道路と小川をはさんだ正面に公園があった。

子どもにとってはけっこうな広さだった。

 

そのせいで、いつもどこか落ち着かないワサワサした雰囲気があった。

その妙に浮かれたような空気が、

公園から家の中まで入り込んでくるみたいだった。

 

昼間はいつも誰かが集まって遊んでたし

近所の人が集まる季節のイベントなんかもそこでやってた。

夜もけっこう騒がしかった。

暗くなってからもカップルが散歩に来ていたり

学生が遅くまで遊んでいたり。

特に夏は、しょっちゅう花火大会。

 

私はそういう騒音を自分と無関係なものとして

切り離して考えることがどうしてもできなくて

「みんなが楽しそうにしてるのに仲間外れにされてる」気分になることがよくあった。

 

実際には、仲間外れも何も

その人たちは最初から知らない人たちだし

学校へ行けばちゃんと友達も遊んでくれる子もいたんだから

理不尽きわまりない恨みなんだけど。

 

公園には魔性の力があった。

 

夜、公園で誰かが楽しそうにしてると

仲間に入って一緒に遊びたいって思う。

でも親は「暗くなってから出歩くんじゃない」と叱る。

小学生だから仕方ない。

 

でも、大人が子連れで集まって花火とかやってる時もあるわけ。

子どもの声が聞こえるわけ。

だから、一人で行っちゃいけないって言うなら

親が一緒に来てちょっとのぞかせてもらうとか、してくれてもよかったのにと思う。

まあ、親もめんどくさかったんだと思うけど。

 

「こんな時間に公園に集まっているなんて

不良に決まっている。おまえは不良になりたいのか」

と言われたこともある。

 

でも、もっと大きくなってから自分もみんなと

どこかの公園や川原に集まって飲み食いしたことあったけど

べつに不良じゃない。

ただ学生だから、飲食代を浮かせる目的で

コンビニで買ったものを公園に持ってきて

打ち上げしたり二次会したりしてただけだし。

 

小学生か、もっと小さい頃だったと思うけど

夜、公園で誰かが楽しそうにしてて

親にダメって言われても引き下がらなくて

「いやだ、行く」とわんわん泣いたことがった。

そしたら父親に物置小屋に閉じ込められた。

扉をたたいてずっと泣いてた。

泣き止んだら迎えに来た。

 

望んじゃいけないんだ、って思った。

 

望んだことは叶えてもらえなくて

父は山とかキャンプとか連れてってくれた。

でもそれって

「自分が行きたいところへ子どもらを同伴してる」っていうだけ。

普段は疲れてたりイライラしたり酔ってたりで

お菓子買ってくれて、公園で一緒に食べるとか

花火してくれるとか

日々のそういうちょっとした触れ合いがないまま

いきなりポーンとどっかの山に連れていかれて

おもちゃもアイスクリーム屋も何もないところを

やたらと歩かされる。

 

子どもの面倒見てる♪って思ってたかもしれないけど

気を使って付き合ってあげてたのは私の方。

 

公園の向こうに雑木林があって

男性の遺体が発見されたことがあった。

警察が来てた。自殺だった。

 

もちろん「見に行きたい」とせがんだ。

「子どもは行っちゃダメ」と叱られた。

そもそも見つけたのは近所の小学生たちで

男の子が「ぼくが第一発見者だ」と自慢してたんだけど。

 

公園に、妖精がいたらいいのにとか

UFOが着陸しないかなと思ったりした。

 

高校生の頃かな、

「家の前が公園で、夜誰かが騒いでると気になって

一緒に遊びたかったのに行けないし、つまらなかった」

という話を友達にしてた。

 

そしたらその子が

「あんたコミュ力あるね」と。

「私は人見知りだから、公園に知らない子たちが来てたからって

仲間に入りたいなんて思わない。怖い」と言う。

 

そんな考え方したことなかったから驚いた。

 

悲しかったこと

残念だったこと

逆に考えたらぜんぶ長所になるんだと思った。

 

「その気持ちをずっと忘れずにとっておきな」と、友達は

同い年なのに、ずっと年上の大人みたいなことを言った。

 

公園の思い出。

 

 

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photo by ありしゅ