「あまたの星、宝冠のごとく」
私 ティプトリー短編集
「星ぼしの荒野から」
「故郷から10000光年」
など、ほとんど全部持ってます♪
SFです。
ただ「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」これだけちょっと違うかな?
こないだ「あまたの星、宝冠のごとく」買ったので
それぞれの短編の感想を書いてみたいと思います
(昨年発売だったんだけど、知らなかった(;'∀')
作家がもうお亡くなりになってるみたいなのに、
どうして新しい本が出るんだろ??)
あまたの星、宝冠のごとく (ハヤカワ文庫) [ ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア ]
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『アングリ降臨』
私の大好きな触手系エイリアン、皮膚は青✨
しかも、めっちゃやさしい( ;∀;)という素敵な設定。
もう恋した。恋しちゃいましたアングリ様。抱いてください♡
でもひとつ大問題が・・・・
異星人アングリ、超強力なテレパシーを持ってるんです。
近付いた瞬間すべての邪な妄想を見抜かれてしまう!
それを承知で開き直って追いかけるか、近寄らずに遠巻きにするか迷うね・・・
どっちにしても片想いなんだけど・・・
もちろん物語中にはこんな私みたいな変態は登場せず、穏やかに話は進みます。
ラストでアングリという種族の誕生にかかわる意外な秘密がわかる。
『悪魔、天国へ行く』
これね。あんまりよくわからなかった。哲学的な一作。
ただ最後の、昔の神が新しい神に入れ替わろうとしているシーン、
力を持ち始めている新しい神とその意味、
これは、なんかすごくわかる気がする(´-`).。oO
『肉』
過激派組織による活動が成功して堕胎が禁じられた近未来。
どんな理由があっても堕胎できないので、とりあえず育てられない赤ちゃんは施設へ・・・
でも養子縁組なんてそんなにたくさんないし、このままじゃ運営が無理。
あふれ返った赤ちゃんたちはどこへ行くのか??
ホラーです。とても怖くて悲しい。
『すべてこの世も天国も』
これ好きです。
二つの王国を舞台にしたファンタジーで、
エコロジー王国の王女がなぜか公害大国の王子を好きになってしまう。
でもエコロジー評議会は二人の結婚を絶対に許さない・・・
なんだかんだで最後はハッピーエンドなところも好き♪
二人が結ばれたら逆にバッドだったね・・・
『ヤンキー・ドゥードゥル』
これも怖い話。戦争ホラーです。でも現実にありそうで泣く。
『いっしょに生きよう』
はっきりしたエイリアンが登場するのは、けっきょく冒頭のアングリとこれだけかな?
「蓮のような植物の中に寄生性のエイリアンが住んでいて、テレパシーで周囲の動物を操る」という不思議な設定。
主人公は親切ないいエイリアンなんだけど、蓮の群生がブラック企業みたいになっている場所もあって
ここに踏み込むと頭を乗っ取られて奴隷と化すみたい。
『昨日も今夜も、また明日の夜も』
なんだかよくわからないけど、ヴァンパイア?なのかな??短いホラーです。
女の子を連れてくる役を割り当てられたイケメンの流れ作業ぶりが怖いと言えば怖い。
『もどれ、過去へもどれ』
この世界では、卒業を控えた高校三年生の修学旅行?は、なんと未来へ行くこと。
タイムマシンで現在の自分と未来の自分を1か月間、入れ替えることができます。
しかし、未来へ行っていた時の記憶は持ち帰ることができません。
美人でリッチなダイアンが55年後の未来へ行ってみたら
未来の自分にとんでもない災難が降りかかることが発覚!
地味に怖い。
ドンの意外な男前ぶりがハートウォーミング♪
でも自分の未来に、やっぱりどうしても納得できないダイアン。
許容できない気持ちもすごくわかる。悲しい。
『地球は蛇のごとくあらたに』
自然が好き♡とかいうレベルを超えて、地球という惑星そのものに恋した女の子の物語。
童話のようなロマンチックな感じじゃなくて、すごく生々しいんだけど
この生々しさ、ちょっとわかる気もする。
愛とエロスの形は人それぞれなんだねーという話。
『死のさなかにも生きてあり』
作者の哲学で?死者がさまよう中間世界を描いた怪奇短編。
このお話が一番好きかも(⋈◍>◡<◍)。✧♡
自分が欲しいものを自由に物質化できるって幸せだよね・・・
こんな世界なら行きたい(・∀・)ウン!!