猫の幽霊
あいかわらず自分の怪奇現象ネタがないので
人から聞いた話です。
専門学校の友達からきいた話。
その子の実家で、オレンジ色の縞の仔猫を飼っていました。
女の子で、やんちゃで甘えん坊の猫で、みんなでかわいがっていましたが
残念ながら生後一年にもならないうちに、交通事故で死んでしまったそうです。
猫はいつも二階の部屋から階段をおりてくるとき
慎重に一段ずつ下りるので、
「ぽとん・・・ぽとん・・・」と、独特の足音をさせていました。
不思議なことに
猫が死んでからも時々、その足音が聞こえてくる・・・
それは夜中ではなく、たとえば休日の午後
家族が居間でまったりしているときなどに
友人だけでなく、その場にいる母や祖母など、全員に同じ音が聞こえる。
だから決して一人だけの空耳というわけではありません。
べつに怖くはないので、それが聞こえるといつも
「ああ、あの子が下りてきてるね~」などと家族で言い合っていた。
今日も、姿の見えない猫が
二階からみんなのいる居間へと、
階段をおりる音がする・・・
ぽとん・・・
ぽとん・・・
しかしその足音は、何か月かすると
ぱったりと聞こえなくなったそうです。
動物は幽霊になりうるのか?
それとも、それは死んだ猫ではなく
残された飼い主たちの想いが
何かを呼び寄せたのだろうか・・・?
イラストbyありしゅ
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